MBOと「長期的視点の経営」のナゾ

日経の記事から

中堅スーパーのオオゼキ、創業家がMBO実施
 東証2部上場で首都圏地盤の中堅スーパー、オオゼキは14日、創業家によるMBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表した。創業家の石原坂寿美江会長兼社長が出資する投資会社を通じてTOB(株式公開買い付け)を行い、非上場化を目指す。消費低迷に伴う競争激化に対応するため長期的な視野で経営を立て直す、と説明している。
 石原坂会長兼社長が代表を務めるひまわり(東京・世田谷)がTOBを実施する。期間は8月18日から10月1日まで。買い付け価格は最近3カ月の終値平均を約4割上回る1株3750円。応募があった株式は上限を設けずに買う方針で、取得額は最大438億円を見込む。(00:12)

長期的な視野での経営とのことだが、MBOってのは経営陣による買収といいながら買収資金を借金で賄うことになるため、「経営陣による長期視点での経営」ができるとは限らない。カネを借りた先に事業計画を提出して、計画どおりに進まない場合は何らかのペナルティーが課せられているはずであり、5年や10年の長期視点での経営というのは難しい。おそらく1年ごとに成果を求められるはずである(それでも公開企業は4半期ごとに成果を求められるから、これでも「長期視点」なのかもしれないが。)。
そんなことを考えて変な理由だなあとか思ってたらどうやらこの会社、創業家でゴタゴタしてるらしく*1、長期経営でどうのこうのではなく単純に社長の力強化を目指しての買収っぽいんだな。建前ってすごいね。

*1:注:あくまでネット上の噂である