地獄のポーカー

UBSvs米当局関連で日経ヴェリタス(77号16面)から引用。UBSは4400件の顧客情報提出で決着、その中の人はこんな選択を迫られることに。
ひゃほー!金持ちになるとこんなエキサイティングなゲームができるんだぜ!!

勝率9割、負ければ窮地
UBSの米国人顧客の前には、シンプルな2つの選択肢が用意されている。自主的に口座を申告するか、あるいはそのまま隠し通すか――。これは悪魔の仕掛けたゲームだ。
それでは、ゲームのルールを説明しよう。
プレーヤーであるあなたはUBSの口座を開き、例えば300万ドル、円換算で約3億円を預けるとしよう。意図的に脱税を工作したわけではなく、単に利益を申告しなかっただけのあなたは、この海外口座を税務当局に申告することにした。
IRS(アメリカ内国歳入庁)は、自主申告に対しては罰金の軽減措置を認めているが、それでも過去6年間の口座の最高残高に対し5〜20%の罰金が科される。これに州税を含む追徴課税や延滞税を加えると、IRS自身の資産で、支払総額は口座残高の約40%になる。すなわち、あなたは1億2000万円を失う。
UBSが開示する口座数は、米国人口座全体の1割弱で、IRSは残りの名前を知ることができない。今回の和解で、米司法当局が情報開示の新たな訴訟をUBSに対して起こすことはできなくなったから、自主申告をせずにそのまま隠し通せば、あなたは9割の確率で1億2000万円の罰金を逃れることができる。
それに対して不幸にもリストに名前があると、罰金の軽減措置は認められず、IRSからは、口座残高をはるかに上回る7億円の支払いを請求される。米国の税法では脱税に対し、過去3年間のそれぞれの年ごとに、口座残高の最高額の50%を罰金として課すと定められている。そのうえ悪質とみなされてれば、訴追されて監獄に放り込まれることにもなりかねない。
この地獄のポーカーでは、ゲームから下りるのに資産の40%を放棄しなければならない。一方、勝負を選択すれば、賭けに勝つ確率は9割だが、運悪くジョーカーを引くと破滅は免れない。脱税の罰金は自己破産しても減免されず、地位と名誉と財産の全てを失ったうえに、莫大な債務を抱え汚辱にまみれて余生を送らなければならないのだ。

ご、ごめん。おれはオリだわ・・・
過去の関連エントリーUBSvsアメリカ政府の殴り合い ひとまず決着