学力にもドーピングをする時代 - 「頭の良くなる薬」の問題

AFPの記事から。米国のスマートドラッグの問題について。

徹夜で勉強しやすくなり、記憶力が高まり、覚えたことを試験の本番で思い出しやすくなるといった、いわゆる「頭の良くなる薬」が米国の大学生の間で人気だ。この種の薬を服用する学生が急増していることから、将来、大学側は試験前に「ドーピング検査」を実施せざるを得なくなるかもしれない。
特に入学基準の高い学校では服用する学生の数が多いことが判明したという。現在、学生たちが用いている薬は適度に脳の認知力を高める作用があるとされているが、もっと高い効果を得られる薬が開発されつつあり、将来はこちらの人気が高まる可能性もある。
脳の認知力を高める薬は、身体的にも精神的にも副作用があり依存症を起こす可能性があるだけでなく、薬の普及を抑制することはほとんど不可能だとカキック氏は指摘する。
AFP 「米大学生の間で「頭の良くなる薬」が流行、将来は試験前にドーピング検査?」

数年前にこの話を聞いたことがありまして、米国で徹夜作業をしいられる学生や、バンカーたちが薬物に頼っていると。基本的なコンセプトは集中力や記憶力を高めたり、眠気を吹き飛ばすというヒロポンみたいな薬で、もうちょっとスマートな感じにスマートドラッグなんと呼ばれているそうです。そしてこの手の薬物は依存性が高く、いわば「合法的な薬物汚染」になっている感があります。さらに誰かがやっていると「成績的に自分もやらざるを得ない」というような使用構造なため、快感を求めて用いる普通の薬物*1よりも対処しづらくなっていると。スポーツでのドーピングは悪という認識が定着していますが、こちらも十分に危険性を知らしめるキャンペーンが必要だと考えております。
なお、スマートドラッグにも用いられているリタリンの依存性についてはこの動画をご覧ください。

リタリンはすぐ効かなくなるので、どんどん、もっともっとってなるんですよね。そんなもっともっとの欲求を止められるほど人間の意志って強くないですから・・・」

*1:文脈的には普通の薬物だが、一般常識的には普通じゃない薬物。