鳩山首相所信表明演説の方針「経済合理性に偏らない経済の実現」ってフラグだろ!

鳩山総理が26日に所信表明演説をする。んでもってその方針が明らかになったんだが、これは間違いなくフラグ。

 鳩山由紀夫首相が臨時国会で26日に行う所信表明演説に臨む基本方針が20日、明らかになった。首相は「無駄遣いの徹底的な排除」「経済合理性に偏らない経済の実現」など鳩山内閣の5つの重要課題について、「大枠の考え方」を示すとしている。
「経済合理性に偏らず」=所信表明演説で基本方針−鳩山首相 時事ドットコム

早くもネット上ではネタにされており、論調としてはそもそも経済が合理性の上で成り立ってるんだから矛盾だろう、といった感じ。
本論に入る前に確認しておくと、合理性は「個人自らの利益の極大化」が定義で、「個人自らの利益の極大化(合理的行動)こそが社会の利益になる」としたのがアダム・スミス。財の売り手はなるべく高く売ろうとして、買い手はなるべく安く買おうとするから「神の見えざる手」によって、社会全体として見ても最も公平な価格で売買が成立するってわけだ。市場のルールにはこんな哲学があるのよ。以来、市場は合理的人間の下でのだから上手くいくし、公平であるというのが共通認識だった*1

色んな人の救済フラグ立ちました

だから「経済合理性に偏らない経済」ってのは意味としては市場のルールに偏り過ぎないと取れるのだが、鳩山の信念である「友愛」の文脈と組み合わせるとこうなる。
-友愛の精神は(自分ばかりじゃなくて)他人のことも考えようということ。
-経済においても合理的(自らの利益の最大化)が前提じゃなくて、困ってる人のことも考えよう。
-つまり方針の具体案は農家の所得補償とか亀ちゃんの返済猶予とかJALの救済!
小規模の農家も、返済が滞る中小企業も、JALも、従来の経済(市場)のルールでは淘汰されるモノであった。それが「経済合理性に偏らない経済」では見事生き残ることができるのだ。以前亀ちゃんが鳩山首相も返済猶予に賛成しているとか亀ちゃんが漏らしていたが、ようやくここで繋がった。亀ちゃんはウソなんかついていない。鳩山はやる気だ、淘汰されるべきものを残すゾンビ政策を。

(もちろん予測は予測で、26日以降に中身はわかってくるだろう。そもそもニュース自体が正式な発表ではないし、「経済合理性に偏らない経済」の解釈も国債を減らすとか、サブプラは皆が合理性に従ったら起こっちゃったから気をつけようとか、色んな解釈できる点は留意が必要である。)
参考までに

*1:むろん「市場の失敗」ってのもあるけどね。