塩川と穀田のやりとり全文

上のエントリー「自民党時代の官房機密費:情報収集と宴会費」で引用した穀田と塩川のやりとりがおもしろすぎるので全文をコピペしてみた。出典は国会会議録検索システムから平成13年5月15日衆院予算委員会塩爺の「忘れました」が本当にひどい。政治家ってこれくらい図太くないとつとまらないのねと思わせる対話。以下引用。

○穀田委員 日本共産党穀田恵二です。共産党を代表して質問をいたします。
 小泉総理は、自民党を変える、日本を変える、こう言って総裁に選ばれ、小泉内閣を発足させました。これまで自民党の中枢におられた小泉総理が、自民党政治のどこをどう反省し、どう変えるのか、多くの国民が注目しています。 機密費の問題について、森内閣は肝心の点を何ら解明してきませんでした。この問題は、外務省の一室長が飲み食いや遊興費に公金を流用したという個人的犯罪にとどまるものではありません。問題の核心は、七十二億円もの国民の税金が国会対策やせんべつに使われていたという、機密費の党略的な流用にこそあります
 ところが、その機密費がどう使われていたのか、その使い道は一切明らかにできないというのが森内閣でした。ここに国民の怒りが集中した。小泉総理は機密費について、抜本的見直し、減額も含め厳正に執行すると言われています。しかし、抜本的に見直す、減額もといっても、これまでどういう使い方をされていたのか、そこをはっきりさせなければ、抜本的見直しはありません。ここが肝心です。 そこで、小泉内閣で新たに入閣された塩川正十郎財務大臣に聞きたい。
 塩川さんは、宇野内閣で官房長官を務められました。本年一月二十八日放映されたテレビ朝日の「サンデープロジェクト」という番組で、機密費について発言をなされています。私は何度もそのビデオを見て確認しましたが、こう言われています。
 野党対策に使っていることは事実です。現ナマでやるのと、それから、まあ要するに一席設けて、一席の代をこちらが負担する
とかと述べ、どなたが金庫に入れるのかとインタビュアーの質問に答え、官邸にあります会計課長です。それは、参事官がおりますが、それと相談して入れます。幾らぐらい常時入っているのですか。私が官房長官のときは四、五千万ですかね。一週間に一遍ぐらい、あるかどうか会計課長がのぞきに来て、それで足らなかったら、ちょっとふやして入れてくれるという状態ですね。大体百万円単位で袋に入れています。こんなふうに語っています。この発言は事実ですね。

○塩川国務大臣 発言したことを忘れてしまいました

○穀田委員 それはないでしょう。幾ら何でも、ことしの一月二十八日にみずからの体験を聞かれた話を、そしてお答えになってテレビで放映されて多くの国民が見られたことを、三カ月ほど前の話を忘れたとは、余りにも無責任ではありませんか。もう一度お答えください。

○塩川国務大臣 昨年のことですし、新聞、雑誌の方でどのようにアレンジしたのか、もう私は知りませんし、忘れてしまいました

○穀田委員 それは余りにもひど過ぎます。ちゃんと、どう考えたって、そんなことをやっていたのじゃ、三カ月前の話を忘れるような方が、どうして大臣ができるのですか。だって、新聞に語ったとか……(発言する者あり)皆さん、大臣、新聞に語ったとか報道機関に語ったという一般論の話じゃないのです。テレビに、みんなが見ている、一月の二十八日放映されたテレビにあなたがお語りになっているのですよ。では、もう一度聞きましょう。野党対策に使ったことも忘れたのか。

○塩川国務大臣 いろいろなことを、私聞いたことを、それは質問の仕方によっていろいろあったと思いますが、どういう質問で答えたのかということについては忘れました

○穀田委員 だからわざわざ読んだのですよ。あなたがお忘れになることはいけないと思ったからちゃんと読んだのですよ。そのとおりお話しになったんでしょう。では、どういう野党対策に使ったかは覚えておいでなんですか。

○塩川国務大臣 覚えておりません

○穀田委員 それは余りにも無責任ではないですか。昔の話ではありません。ちゃんとお話をしていただきたいと思います。
 ことしの一月の二十八日に、三カ月前のお話なんです。五年前、十年前という話じゃないんです。この機密費の問題が国会で大問題になり、そして森内閣の帰趨を決める問題として議論をされていた時代にあなたはお話しになったんです。いいですか。自分が、それはその後、新しい内閣にお入りになるつもりはなかったかもしれないからそういうことをお忘れになったかもしれない。それでは大臣という名が泣くんじゃありませんか。
 しかもこれは、あなたが行ってきた官房長官の時代の話を極めてリアルに言っているんですよ。いいですか。北方領土の返還の運動の問題や、それから総理大臣から官房長官に、何とかやってくれという話まで含めて、団体の名前まで挙げるほどリアルにお話しになっているんですよ。それは覚えているんです、その時点で。そしてそれを、たった三カ月も過ぎないのに、テレビでお話しになったことも忘れる。それでは、残念ながら、申しわけありませんが、大臣自身が務まらないということになりませんか。

○塩川国務大臣 大体、私は、思い出してみても、そのようなことを言った、殊に中身のことについては忘れてしまったということでございまして、いろいろと職責上やったことはあるのかもしれませんが、そのことについては思い出すことができません

○穀田委員 それは私、どう考えても、では、後でテレビのビデオを見ますか。それをやりましょうか、その時間をとって。あなた、見ますか。それじゃ、見て、それでやりましょう。それは余りにもひど過ぎると私は思います。お笑いすることじゃありませんよ、大臣。しかも、これはきちんと議員会館のお部屋みたいな感じでやっているのですよ。そして、私は何度も見て確認しているのですけれども、余りにもそれは私は情けない話だと思うのです。では、私は、質問を変えて聞きますが、では野党対策に使ったこともお忘れですか。

○塩川国務大臣 忘れてしまいまして、ありませんですね。忘れました。

○穀田委員 忘れたけれども、では、あったということですね。

○塩川国務大臣 あったかないかも忘れてしまいました

○穀田委員 普通考えて、一月の二十八日にお話ししたことを、総理、忘れるってありますか。これでは次の話は進められませんよ。

○野呂田委員長 財務大臣に申し上げますが、テレビに出演なさって、現物があるそうですから、もう少し思い出して答弁してください。財務大臣、答弁を求めていますから、どうぞ。

○塩川国務大臣 いろいろと言われましても、私は記憶が出てまいりませんので、答えられません

○穀田委員 だめですよ、答えてください。おかしいじゃないですか。きょう答弁したことを、では三カ月たったら忘れるんですか。答えなさいよ。

○野呂田委員長 財務大臣、答弁がなければ委員会はとまりますので、ひとつよろしくお願いします。

○塩川国務大臣 私は、官房長官の時期が短かったし、そういう事実は知りませんし、また、私は、そういうインタビューのときにも、いろいろな誘導尋問があったことに対するものの一点の陳述であったと思っておりまして、その点がどのように言ってきたかということにつきましては、私は記憶を思い出すことができません。(発言する者あり)

○野呂田委員長 財務大臣

○塩川国務大臣 それじゃ、お答えいたします。穀田さんのおっしゃるように、そのビデオを見た上で検討させていただいて、二十八日ですか、集中審議があるんですから、そのときに一応お答えいたします。(発言する者あり)

○野呂田委員長 委員会の皆さんに申し上げます。ただいま理事と協議の結果、財務大臣にビデオを見ていただきまして、二十八日の集中審議で穀田さんの質問をやってもらうということにしたいと思いますが、どうぞよろしく。
 どうぞ、穀田君。

○穀田委員 私は、こういう問題について、やはり内閣の姿勢が問われたと思いますね。自分の発言自身に責任を持てないで、どうして国民に責任を持てるでしょう。そして、問われた問題にまともに立ち向かってこそ、公開とか改革とか言えるんじゃないでしょうか。そういう内容について、みずから行った行動や、またみずからインタビューを受けた内容について忘れたということで済まそうとする態度に、私は納得ができませんし、国民みんなが納得しないということを申し上げておきたいと思います。では、二十八日にもう一度、今度は包み隠しなく相まみえるということにしたいと思います。
 しかし、私はもう一度言っておきますけれども、大臣として、一言言わせていただければ、塩川さん、本当に大事な職責を果たしておられるのに、三カ月前のことについて、問われたことやテレビで言ったこと、公器で言ったことすら忘れるようではおぼつかないということだけ私は申し上げておきたいと思います。

引用終わり。関連エントリー自民党時代の官房機密費:情報収集と宴会費